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64bit OSには、64bit WebBrowserのほうがいいの?

 

それについては、Firefoxがしっかりと答えを出してくれているように感じます。

このページを見ている方でしたら、1度は「Firefox 64bit」で検索をかけたことがあるでしょう。実際に、Firefoxには64bit版は存在します。Firefoxとしてのコード名は「Nightly(ナイトゥリー)」で、2014.03.01現在は、Ver.30.0a1が最新版です。標準の32bit FirefoxはVer.27.01ですから、64bit Firefoxは3バージョン先を進んでいます。

但し、あくまでもα版(評価版にすらならない、おまけみたいな位置づけ)で、短いと1日で2回更新、長くても2~3日で確実に更新されています。ここまで頻繁に更新をするということは、ユーザーに試してもらいたい、というデモンストレーション的な意味もあるかもしれませんが、逆になかなか安定してくれない、とも受け止めることが出来ます。

実際に、32bit-Ver27.0.1と64bit-Ver30.0a1の起動時間を測ってみましたが、32bitですと1.2秒、64bitだと1.8秒と、かえって64bitのほうが遅いのです。しかも、CPUの稼働率はCPUクーラーについてるファンの回転速度の違いが、はっきりと音で判るくらいに64bit版は重い処理を行っています。

例えば、Intelのアッパーミドル級のCPUではHTT(ハイパースレッディング・テクノロジー)を使って、仮想的に1つのコアで2スレッドを処理するために、OS上ではコアが倍になっていると認識されます。これがCore i7ですと4もしくは6コアのものが、8もしくは12個のCPUで処理している、と想定して処理を行います。基本的にHTTは、エンコードやレンダリングのような、一定の処理の繰り返しでは、並列処理を活かして高速な処理を行うことが可能です。

しかし、WebBrowserを含むアプリの起動時や、それこそ肝心のOSの起動時は、他種類の処理が貯まってしまい、キャッシュやメモリーの上で遊んでいる状態がしばしば発生します。もし、このような処理の場合は、一気に64bitという大きな命令を送るよりも、32bitに分散された処理の方が遊びが少ない分、処理が高速化するという現象が起こります。

基本的には、32bit/64bitの関係なしに、CPUそのものは「x86アーキテクチャー」をベースにして機能拡張している為、後に追加になった64bitよりは、x86アーキテクチャーが標準で処理可能な従来の32bitのほうが、全体的に負荷が少なくなります。また、CPU内のキャッシュは、1次~3次までの高速なメモリーが使用されていますが、1次、2次キャッシュはコアごとに、3次キャッシュは全てのコアで共有します。もし、綺麗に並列処理を行うのであれば「次にどのスレッドがOPENするか?」「3次キャッシュがどの位空くか?」を予想することが可能なので、停滞したり遊ばせるようなことはなく割り振られます。

ところが、そんな理想的な並列処理は、かなり負荷がかかるような処理でない限り発生しません。それこそ、今このページをご覧になっている方は、テキストを読む位の軽い動作ですから、32bit版の方が全体的に早く動作をします。但し、タブをいくつか開いて、そのタブのどれかでYoutubeやニコニコ動画などの動画配信サイトで、何かを再生している場合は、mpeg4をデコードして、グラフィックデバイスやサウンドデバイスに逐次送るという、比較的重たく且つ一定の動作の繰り返しをしているので、64bit版の方が予想分岐をしやすく早い処理を行えます。

もっとも、CPUの性能、メモリーの総量、回線速度、HDDの容量と回転速度など色々な要因がありますから、64bitWebBrowserの真価を発揮させるには、アプリやOSの問題だけでなく、ハードウェアの処理能力も十分に考える必要があります。その為、単にOSが64bitだからWebBrowserも64bitの方が良い、とは言い切れませんが…。

 

ここまで読んで、あなたのマシン・タブレット・スマホが64bitOSで、機能も優れていると自信があるのでしたら、トータルでは64bitを使った方が快適に動作しますから、64bit版のFirefox(Nightly)を使ってみる価値があります。また、α版では心配というのでしたら、WaterfoxとCyberfoxは64bitが標準ですし、Pale Moonも64bti版を正式にリリースしていますので、試す分には十分過ぎる位でしょう。

【最新のFirefox 64bit版】

http://www.firefox64bit.com/

 

【その他Mozillaの64bit版】

Pale Moon (32bit/64bitの両方あり)

Cyberfox (32bit/64bitの両方あり)

Waterfox (64bitのみ)

 

さて、こうなると、使い分けが可能なWebBrowserがかなり限られてくる事が判るでしょう。

では、Mozilla及びGecko以外ではどうなるか?と言えば、先ずはInternet Explorerならば9以降で64bit版が使えます。(XPはサポートがもうすぐ打ち切りなのでさておき…)、Vista以降であれば最新バージョンのInternet Explorerが使えます。但し、Vistaと7では「Ver.9」という特殊な構成のものが使えます。8及び8.1は「Ver.10」以降しか使えません。

何故、Internet Explorer「Ver.9」は特殊かと言えば、32bit版と64bit版が両方とも同時に使用が可能でした。丁度、現在のMozilla Foundationのような動かし方と同様です。しかし、「Ver.10」以降は排他的なので、確かに32bitでも64bitでも動かせますが、切り替えるためには、OSを再起動しなければならないという時間のロスと、マシンに対しての負荷をかけ続けていることは忘れないようにしておいて下さい。

また、Webkit系だとLinux版(AndroidはLinuxからの派生なので同様)で、64bit版の「Safari」や「Chrome」が利用出来ます。ただ、スマホとネットブックでは複数のブラウザーを並べて利用する機会はそうそうありませんし、それよりもどのアプリが便利か?だけで決まってしまう傾向が高いので、特に64bitを意識することもないでしょう(SNS、Twitter、Line、メール以外に使うものって、何?)。スマホでネトゲをするのであれば、高い処理能力を求められるので、64bit版にする必要もあるかもしれませんが、そもそもスマホって「電気通信機器」であって「ゲーム機」ではありませんよね?

ゲームをするな、とは言いませんが、いい歳をした大人が公衆の面前でゲームに熱中している姿はいかがとは思いますが?

そういえば、1つ紹介するのを忘れていましたね。現行ではWebkitになってしまいましたが、Operaなる独自の進化を遂げたWebBrowserがありましたね。かつてのOperaは32bit/64bitのいずれでも動作が可能でした。最終バージョンはこちらで保護してありますので、もし気になる方がいらっしゃったらどうぞお持ちになって下さい。

ところで、疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、Mozillaの場合、32bit版のアドオンは64bit版でも使えるのか?ですが、使えるものは結構多いですが、残念ながら互換性のないアドオンも存在します。特に、Webブラウザーでデバイス(マウス、キーボードetc.)を特定の動作をさせる場合は、アドオンがインストール出来ない、もしくはインストール出来たとしても安定しないものが殆どですので、そればかりは諦めて下さい。

また、前章で「言語パックもアドオン」と言いましたが、この場合はあくまでも挙動を変えるのではなく、文字列の置き換えのみなので、比較的互換性に優れています。もし、文字列やレイアウトが全く同じなのに、バージョンが1つ違うだけどころか、同じバージョンなのに少しビルドアップしただけで使えなくなるようなことがありましたら、…実は、アドオン「.xpi」の構造がちょっと判るだけで、ほんの少し書き換えて適応させることも可能になります。

それこそ、根気のある人だったら…非公式で日本語化する言語パックを作ってしまいます。

ということで、実際に次は「アドオン」の中身を見てみます。コツが判れば、さほど難しいものではありませんのでご安心あれ。

 

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